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《損害賠償請求事件(第3事件)について裁判所の判断+ 第3事件に対する請求》



C-JeSとavexの裁判について (資料元:裁判所サイト
平成25年1月18日判決言渡は、全101ページあります。

《主文》事件名・原告名・被告名 1ページ~3ページ 
事実及び理由
第1 請求 3ページ~4ページ
 1 第1事件 / 2 第2事件 / 3 第3事件 / 4 第4事件
第2 事案の概要 4ページ~16ページ 
第3 争点に関する当事者の主張 16ページ~72ページ 
第4 当裁判所の判断 72ページ~101ページ
 1 被告エイベックスの本件専属契約違反の有無(争点1-1)について 72ページ~83ページ
 2 第1事件について 83ページ~87ページ
 3 第2事件及び第4事件について 87ページ~88ページ
 4 第3事件について88ページ~101ページ
第5 結論(主文のとおり判決する)101ページ

上記より、《当裁判所の判断》とそれに対応する《請求》を合わせてまとめました。
下記タイトルをクリックでご覧ください。
 《主文》
 《被告エイベックスの本件専属契約違反の有無についての裁判所の判断》
 《第1事件について裁判所の判断 + 第1事件に対する請求》
 《第2事件及び第4事件について裁判所の判断+ 第2事件及び第4事件に対する請求》
 《第3事件についての裁判所の判断+ 第3事件に対する請求》



《損害賠償請求事件(第3事件)について裁判所の判断+ 第3事件に対する請求》



同年(ワ)第25447号損害賠償請求事件(以下「第3事件」という。)
原告 株式会社 シージェスエンターテイメント
原告 甲(シージェス代表)
被告 エイベックス・マネジメント株式会社



*請求*

3 第3事件

(1) 被告エイベックスは,原告シージェスに対し,金1億5000万円及び
これに対する平成23年2月24日から支払済みまで年6分の割合による金
員を支払え。

(2) 被告エイベックスは,原告シージェスに対し,金12億4306万99
08円及びこれに対する平成23年8月10日から支払済みまで年6分の割
合による金員を支払え。

(3) 被告エイベックスは,原告甲に対し,金500万円及びこれに対する平
成23年8月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(4) 被告エイベックスは,別紙謝罪広告目録記載の謝罪広告を,エイベック
スグループ・ホールディングス株式会社のホームページに本判決確定の日か
ら6か月間,14ポイント活字をもって掲載せよ



*裁判所の判断*

4 第3事件について

(1) 本件専属契約に基づく未払契約金の額(又は債務不履行に基づく損害賠
償としての未払契約金相当額)(争点3-1)について

ア 本件専属契約10条(1)①は,被告エイベックスが,原告シージェスに
対し,本件専属契約の契約金として7億円支払う旨を定め(前提事実
(3)),被告エイベックスが5億5000万円を支払済みであることは当
事者間に争いがない。

イ この点,被告エイベックスは,原告シージェスが,原告甲の前科を殊更
隠して,本件専属契約を締結し,その結果,被告エイベックスのJYJに
対する適正・適法なマネジメント権の行使につき,重大な支障を与えたの
であるから,本件専属契約15条(1)①に基づき,被告エイベックスの権
利行使につき何らの支障もないことを保証する同条(1)②に違反し,原告
シージェスは,契約金の残部を被告エイベックスに請求する権利を有しな
い旨主張する。
しかしながら,本件専属契約15条(1)①は,原告シージェスが,その
権利,権限及び能力に照らし,本件専属契約を履行できることを保証し,
同条(1)②は,それを前提として,被告エイベックスの権利行使について
支障がないことを保証する規定である。
そうすると,本件専属契約15条(1)②は,原告シージェスの権利,権
限及び能力に照らし,被告エイベックスの権利行使につき支障が生じてい
る場合を規律するものであって,原告シージェスの代表者である原告甲に
前科があった場合を規律する規定ではないから,原告シージェスが同号に
(p89)
違反するとはいえない。

ウ 他方で,前提事実(3)に加え,証拠(乙28)及び弁論の全趣旨によれ
ば,本件専属契約10条(1)①は,契約金7億円のうち1億5000万円
について,平成23年2月末日支払と定めていたところ,被告エイベック
スと原告シージェスとは,平成22年4月1日,上記1億5000万円の
うち2160万円を直接JYJに対して支払う旨を合意し,これを同年6
月末日までに支払ったことが認められるから,被告エイベックスの未払契
約金は1億2840万円であったと認められる。
そして,前記1のとおり,本件解除をもって本件専属契約は終了したと
認められる。本件専属契約10条(1)によれば,契約金は,「権利譲渡の
対価及び本件アーティスト活動の遂行の対価を含む本契約上に定める行為
等一切の対価として」支払うものとされているから,契約金が契約時点に
おいて既に発生しており,契約書にいう支払期日は単にその支払日を定め
たものとみるのは相当でない。そして,本件専属契約における存続事項
(24条)には契約金の支払についての10条(1)①は挙げられていない
から,上記の未払契約金債務1億2840万円は解除の効果により消滅し
たものというべきである。もっとも,前記1のとおり,被告エイベックス
の本件専属契約違反により本件解除がされたのであり,被告エイベックス
の違反行為がなければ,本件専属契約は継続し,原告シージェスは未払契
約金を取得できたものと認められるから,原告シージェスは,被告エイベ
ックスに対し,同額を債務不履行に基づく損害賠償として請求することが
できるというべきである。
したがって,原告シージェスの債務不履行に基づく損害賠償請求(第1
請求3(1))は,1億2840万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日
である平成23年8月10日から商事法定利率年6分の割合による遅延損
害金の支払を求める限度で理由がある。

(2) 債務不履行に基づく損害賠償としての逸失利益の額(争点3-2)につ
いて

ア まず,原告シージェスは,被告エイベックスが,平成22年7月以降,
JYJの日本におけるアーティスト活動を行わせることはなくなったと主
張した上で,同月以降,本件専属契約が解除されるまでの8か月間分の逸
失利益を主張する。
そこで検討するに,前記1(1)ケのとおり,被告エイベックスは,平成
22年9月1日以降,JYJの日本におけるアーティスト活動について,
マネジメント業務を行うことはなかったことが認められる。しかし,証拠
(乙25)によれば,JYJは,平成22年7月以降,同年8月に開催さ
れた「a-nation '10」の出演以外に日本におけるスケジュール
はなかったものの,同年7月及び8月には,アメリカ及び韓国でのスケジ
ュールがあったことが認められ,このようなスケジュールに照らすと,被
告エイベックスが,同年7月及び8月,JYJの日本におけるアーティス
ト活動について,マネジメント業務を行わなかったとは認められない。
そうすると,原告シージェスの逸失利益を算定する期間は,平成22年
9月1日から本件解除の効力が発生した日の前日である平成23年2月2
3日までと認めるのが相当である。

イ また,原告シージェスは,JYJが活動した期間に対応するアーティス
ト印税と利益分配金の額をもって,逸失利益の算定数値とすべき旨主張す
る。
そこで検討するに,アーティスト印税はJYJの実演活動の対価であり,
利益分配金はJYJのコンサート等の出演に関する利益分配である(前提
事実(8)ア)。そうすると,アーティスト印税は,JYJのアーティスト
活動にかかわらず,CD等の売上に応じて発生するものであり,上記の逸
失利益の算定期間において,CD等の発売が具体的に予定されていたにも
(P91)
かかわらず,被告エイベックスが行わなかったなどの事情があればともか
く,そのような事情が認められない本件においては,算定数値とするのは
相当ではないというべきである。
そして,平成22年4月分以降の利益分配金が合計3億7843万25
73円であったことに当事者間に争いがない。そこで,JYJの活動期間
を5か月(平成22年4月~同年8月)として,上記の利益分配金額を5
で除した数値に,逸失利益の算定期間(5+23/28)を乗じて,逸失
利益を算定すると,4億4060万円(1万円未満切り捨て)となる。
(計算式)(3億7843万2573円/5)×(5+23/28)=
4億4060万円(1万円未満切り捨て)

ウ したがって,原告シージェスの債務不履行に基づく損害賠償請求(第1
請求3(2)の一部)は,4億4060万円及びこれに対する訴状送達の日
の翌日である平成23年8月10日から商事法定利率年6分の割合による
遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。


(3) コンサート活動の妨害を理由とする不法行為の成否及び損害額(争点3
-3)について

ア まず,コンサート活動の妨害を理由とする不法行為の成否について検討
する。

(ア) 前提事実(6)のとおり,①ザックは,関係者に対し,平成23年6
月7日横浜アリーナにおいて,JYJのコンサートを開催する旨を通知
した。しかし,被告エイベックスは,横浜アリーナに対し,原告シージ
ェスとの間で本件専属契約を締結しており,日本においてJYJのマネ
ジメント業務を独占的に行う権利があるので,JYJは被告エイベック
スを介することなく日本でアーティスト活動を行うことはできないなど
として,会場の利用を許可しないよう要求した。そのため,横浜アリー
ナは,ザックに対し,興行権等の帰属を巡って係争中であることが確認
(p92)
されたため,イベントの円滑な開催が困難な状態にあるなどとして,横
浜アリーナの利用申込みを承認することができない旨を通知した。②そ
こで,ザックは,さいたまアリーナに会場を変更したところ,被告エイ
ベックスは,さいたまアリーナに対し,会場の利用を許可しないよう要
求した。そのため,さいたまアリーナは,ザックに対し,会場の利用を
許可しない旨を通知するとともに,そのホームページにおいて,お知ら
せとして,出演が予定されているアーティストの契約に関する問題が存
在する中で,ザックに対して会場の利用を許可することは適切でないと
判断した旨を掲載した。③そのため,ザックは再び会場を変更し,原告
シージェスとザックは,国技館において,国技館コンサートを開催した。

(イ) 以上のとおり,ザック及び原告シージェスは,被告エイベックスが
施設管理者である横浜アリーナ及びさいたまアリーナに対して会場の利
用を許可しないよう要求し,横浜アリーナ及びさいたまアリーナが会場
の利用を許可しなかったため,会場の変更を余儀なくされたものである。
そして,前記1のとおり,本件解除をもって本件専属契約は終了したと
認められるから,被告エイベックスは,虚偽の事実を告知するなどして,
原告シージェスのコンサート活動を妨害したものと認められる。
そうすると,被告エイベックスが原告シージェスのコンサート活動を
妨害したことについて,不法行為が成立するというべきである。

(ウ) したがって,被告エイベックスは,原告シージェスに対し,不法行
為に基づき,コンサート活動の妨害に係る損害を賠償する責任がある。

イ 続いて,コンサート活動の妨害に係る損害額について検討する。

(ア) まず,国技館コンサートの利益について検討する。
a チケット売上に係る利益について検討するに,証拠(甲37,乙3
1)によれば,チケット売上は,1億8627万3750円(=97
50円〔諸手数料を含む。〕×1万9105名)であることが認めら
93
れる。また,証拠(枝番号を含めて甲37,63~85,乙12,丙
9)によれば,コンサート開催に係る費用は,別紙認定支出表のとお
り,1億2675万6981円であると認められるから,コンサート
のチケット売上に係る利益は,5951万6769円である。
なお,コンサート開催に係る費用について補足するに,ダンサー出
演料については,甲63号証の各号証は,その趣旨が判然としないた
め,乙12号証記載の想定金額と同額を認定した。また,販売手数料
等については,国技館コンサートでは,プレイガイドに委託しないで,
ザックにおいてチケットを発券しているところ(甲37),チケット
購入者にシステム使用料を含む諸手数料を上乗せしているから(乙3
1),諸手数料合計と同額である2388万1250円(=1250
円×1万9105名)を認定した。
b グッズ売上に係る利益について検討するに,証拠(甲37)によれ
ば,グッズ売上は,3500円(税込)の記念Tシャツ及び2500
円(税込)のストラップ付きパンフレットを販売し,合計4776万
2500円であったこと,受託販売として売上の30%が利益になる
こと(販売費用はコンサート開催に係る費用に計上)がそれぞれ認め
られるから,グッズ売上に係る利益は1432万8750円であると
認められる。
c したがって,国技館コンサートに係る利益は7384万5519円
である。

(イ) 続いて,さいたまアリーナでコンサートを行った場合の想定利益に
ついて検討する。
a チケット売上に係る想定利益を検討するに,証拠(甲37)によれ
ば,さいたまアリーナの収容人数は1万8000名であり,昼と夜の
2部制とし,1枚8500円のチケットを1万6000名分,750
94
0円のチケットを2000名分発売することを予定であったことが認
められるから,チケットの想定売上は3億0200万円であると認め
られる(甲33の1~3及び弁論の全趣旨によれば,平成23年10
月15日及び16日の両日に開催されたJYJのひたちなかコンサー
トにおいては,1回当たりの入場者数が4万人程度であったことが認
められるから,さいたまアリーナでのチケットの想定売上を上記のと
おりとすることは相当である。)。また,証拠(甲37)によれば,
コンサート開催に係る想定費用は,別紙支出表のさいたまアリーナ欄
記載のとおり,1億4247万円であると認められるから,チケット
売上に係る想定利益は,1億5953万円であると認められる。
b グッズ売上に係る想定利益について検討するに,証拠(甲37)に
よれば,さいたまアリーナのコンサートでは,3500円(税込)の
記念Tシャツ及び2500円(税込)のストラップ付きパンフレット
を販売する予定であったこと,国技館コンサートの実績では1名平均
2500円のグッズを購入していたことがそれぞれ認められ,さいた
まアリーナでの動員見込みが3万6000名であることに照らすと,
グッズの想定売上は9000万円であると認められる。そして,証拠
(甲37)によれば,グッズ売上に係る想定費用として,グッズ制作
費(売価の7割=6300万円)に加え,輸入関税,運搬費,アルバ
イト人件費,会場コミッション等の費用約900万円が見込まれてい
たことが認められるから,グッズ売上に係る想定費用は7200万円
であると認められる。
そうすると,グッズ売上に係る想定利益は1800万円であると認
められる。
c したがって,さいたまアリーナでコンサートを行った場合の想定利
益は1億7753万円である。
95

(ウ) 以上のとおり,さいたまアリーナでコンサートを行った場合の想定
利益は1億7753万円であり,国技館コンサートに係る利益は738
4万5519円であるから,その差額である1億0368万4481円
がコンサート活動の妨害に係る損害であると認められる。
そして,弁論の全趣旨によれば,原告シージェス及びザックとは,J
YJのコンサートに係る利益について,その配分をそれぞれ2分の1と
する合意があったと認められるから,原告シージェスの損害額は518
4万円(1万円未満切り捨て)であると認められる。
ウ したがって,原告シージェスのコンサート活動の妨害を理由とする不法
行為に基づく損害賠償請求(第1請求3(2)の一部)は,5184万円及
びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成23年8月10日から民法
所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。


(4) 著作隣接権侵害を理由とする不法行為の成否及び損害額(争点3-4)
について

ア まず,本件専属契約の規定について検討する。
本件専属契約では,①契約の期間中に行われたJYJのアーティスト活
動の遂行による一切の著作物に係る著作権,実演家の権利等の権利は,地
域及び期間の制限なく,その発生と同時に独占的に被告エイベックスに帰
属,もしくは原告シージェス又はJYJから被告エイベックスに独占的に
譲渡され(7条(1)),②被告エイベックスは,契約の期間中,原告シー
ジェスと別途協議の上,7条に基づき被告エイベックスの保有する権利の
行使,第三者許諾,譲渡をすることができるが,契約終了後においては,
地域,範囲,期間の制限なく,自由な判断により当該行使,第三者許諾,
譲渡を行うことができる(8条),③被告エイベックスは,契約の期間中,
原盤等の利用行為にかかる規格,種類,内容等の一切の事項について,原
告シージェスと別途協議の上,決定することができるが,契約終了後にお
(P96)
いては,地域,範囲,期間の制限なく,自由な判断により当該決定を行う
ことができる(6条(2)),④被告エイベックスは,原告シージェスに対
し,JYJの実演活動の対価として,著作隣接権又は著作権が存続する期
間中,アーティスト印税を支払う(10条(1)②),⑤6条(2),7条,8
条,10条(1)②等の規定について,契約終了後も有効に存続する(24
条)などと規定されている。

イ 以上のとおり,本件専属契約では,被告エイベックスが,契約終了後に
おいても,契約の期間中に行われたJYJのアーティスト活動の遂行によ
る著作権,実演家の権利等の権利を保有するとされ,これを前提とした規
定を設けられている。
そうすると,原告シージェスは,別紙著作物目録1~8記載のCD及び
DVDについて,実演家の権利を保有することはないから,その余につい
て判断するまでもなく,原告シージェスの著作隣接権侵害を理由とする不
法行為に基づく損害賠償請求(第1請求3(2)の一部)は理由がない。
また,原告シージェスは,実演家の権利を有さなくとも,被告エイベッ
クスが本件解除後にJYJのCD等を発売する行為が不法行為である旨主
張するけれども,その根拠は不明であるといわざるを得ないから,理由が
ない。

ウ これに対し,原告シージェスは,本件解除により,上記アの各規定が効
力を失う旨主張する。
しかしながら,本件専属契約は,当事者の契約違反があった場合の解除
について規定しながら(17条(2)),上記アの各規定を設けているので
あるから,当事者の契約違反を理由とする解除によっても,上記アの各規
定の効力が失われることはないと解するのが相当である。本件専属契約に
おいて,被告エイベックスが契約終了後も著作権,実演家の権利等の権利
を保有することなどが規定されているのは,被告エイベックスの投下資本
(p97)
の回収を企図するものであると解されるが,他方で,被告エイベックスは,
原告シージェスに対し,契約終了後においても,アーティスト印税を支払
う旨が規定されている(10条(1)②)のであるから,上記アの各規定が
当事者間の公平に反するなどということもできない。
また,原告シージェスは,実演家の権利を有することを前提として,別
紙著作物目録1~6及び8記載のDVDについて,①映画の著作物だとし
ても,本件解除によって許諾の効力が失われた(著作権法91条2項参
照),②法の予定している映画の著作物ではない,③実演家の権利を消尽
させる条項の適用はないと主張するけれども,上記イのとおり,原告シー
ジェスは実演家の権利を有していないのであるから,原告シージェスの主
張は理由がない。
さらに,原告シージェスは,別紙著作物目録1~6及び8記載のDVD
について,映画の著作物だとしても,JYJが共同著作者である旨主張す
る。しかしながら,映画の著作物の著作者は「制作,監督,演出,撮影,
美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者」
であって(著作権法16条),実演家であるJYJが「その映画の著作物
の全体的形成に創作的に寄与した者」とはいい難いし,その立証もないか
ら,原告シージェスの主張は理由がない。


(5) 原告シージェスの請求のまとめ
上記(1)のとおり,原告シージェスの債務不履行に基づく損害賠償請求
(第1請求3(1))は,1億2840万円及びこれに対する訴状送達の日の
翌日である平成23年8月10日から商事法定利率年6分の割合による遅延
損害金の支払を求める限度で理由がある。
前提事実(8)のとおり,被告エイベックスが,原告シージェスに対し,利
益分配金等の合計4511万7126円が未払であることに当事者間に争い
がないから,その範囲内の請求として,原告シージェスの本件専属契約に基
(p98)
づく未払分配金等の支払請求(第1請求3(2)の一部)は理由がある(45
11万7108円及び訴状送達の日の翌日である平成23年8月10日から
商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払)。
上記(2)のとおり,原告シージェスの債務不履行に基づく損害賠償請求
(第1請求3(2)の一部)は,4億4060万円及びこれに対する訴状送達
の日の翌日である平成23年8月10日から商事法定利率年6分の割合によ
る遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。
上記(3)のとおり,原告シージェスのコンサート活動の妨害を理由とする
不法行為に基づく損害賠償請求(第1請求3(2)の一部)は,5184万円
及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成23年8月10日から民法
所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。
上記(4)のとおり,原告シージェスの著作隣接権侵害を理由とする不法行
為に基づく損害賠償請求(第1請求3(2)の一部)は理由がない。
以上をまとめると,原告シージェスの請求(第1請求3(1)及び(2))は,
6億6595万7108円及び内金6億1411万7108円に対する平成
23年8月10日から支払済みまで年6分の割合による金員,内金5184
万円に対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める
限度で理由があるから,これを認容し,その余は理由がないから棄却する。

(6) 名誉毀損の成否,損害額及び名誉回復措置の必要性(争点3-5)につ
いて

ア 被告エイベックスは,本件公表を行って,本件摘示事実を摘示したので
あり,本件摘示事実には原告甲の前科に関する事実も記載されていたから
(前提事実(4)),本件摘示事実の摘示が名誉毀損に当たることは明らか
である。
これに対し,被告エイベックスは,平成22年9月16日以前において,
様々な新聞及び週刊誌の報道により,「原告C-JeSの代表者が,担当
(p99)
アーティストを恐喝し,強要罪で実刑判決を受け服役していた」ことは広
く知れ渡っていたのであるから,原告甲の社会的評価は既に相当程度低下
していたといえ,本件摘示事実の摘示により,原告甲に新たな社会的評価
の低下をもたらさない旨主張する。
しかしながら,前記1(1)アのとおり,サンケイスポーツ新聞が,平成
22年5月29日,原告甲について,「人気韓流スターの元マネージャー
だったが,このスターを脅迫して実刑判決を受けたことがあり,暴力団と
のつながりもあるという」との記事を掲載したことが認められるものの,
それ以外には,平成22年9月16日以前において,原告甲の前科に関す
る事実の報道があったことを認めるに足りる証拠はない。かえって,証拠
(乙1の1~3)によれば,スポーツニッポン,デイリースポーツ及びサ
ンケイスポーツ新聞は,同月17日,本件公表が行われたことを報道する
記事において,原告甲の前科に関する事実の報道を行ったことが認められ
る。
以上のとおり,平成22年9月16日以前においては,原告甲の前科に
関する事実の報道はスポーツ新聞の1件だけであったのであるから,原告
甲の前科に関する事実が社会に広く知れ渡っていたということはできない
のであり,本件摘示事実の摘示により,原告甲の社会的評価が低下したと
認めるのが相当である。

イ また,被告エイベックスは,本件摘示事実は,原告甲が担当アーティス
トを恐喝し,強要罪で実刑判決を受け服役していたという重大な刑事事件
に関するものであり,実刑判決を受けたのが著名なアーティストであるJ
YJの韓国における所属プロダクションの代表者ということも相まって,
多くの人々が関心を持った事件であったとして,事実の公共性が認められ
る旨主張する。
しかしながら,JYJが日本においても著名なアーティストであっても,
(p100)
原告甲は,JYJと基本専属契約を締結した原告シージェスの代表者にす
ぎないのであり,原告シージェスの代表者としてJYJを通じて社会に及
ぼす影響力の程度を考慮したとしても,さほど社会的な影響力があるとは
いい難いのであるから,その前科に関する事実が公共の利害に関する事実
であるとは認められない。
そうすると,その余について判断するまでもなく,本件摘示事実の摘示
について違法性が阻却されるとは認められない。なお,本件摘示事実には
「恐喝」との摘示があるが,これが事実と異なることは別紙認定犯罪事実
の記載に照らして明らかである。
したがって,被告エイベックスは,原告甲に対し,本件摘示事実の摘示
により,不法行為責任を負うというべきである。

ウ 続いて,名誉毀損に係る慰謝料額について検討するに,本件摘示事実に
は,原告甲の前科に関する事実の摘示があることに加え,「恐喝」との誤
った摘示があること,原告甲が暴力団と関係があるのではないかと推知さ
せる記載(「現時点での暴力団との関係こそ明らかではないものの」)が
あること,他方で,原告甲は原告シージェスの代表者として摘示されてい
るにとどまり,実名は摘示されていないこと,本件公表(本件摘示事実の
摘示)がその後もエイベックスGHDのホームページに掲載されているこ
となどに照らすと,名誉毀損に係る慰謝料としては100万円を認めるの
が相当である。

エ また,民法723条に基づく名誉回復等の措置請求について検討するに,
上記ウのとおり,本件公表(本件摘示事実の摘示)の内容は,一部事実と
異なる等の点があるものの全く事実の基礎を欠くものではないこと,原告
甲の実名が記載されているものではないこと,本判決が確定すれば被告エ
イベックスの親会社であるエイベックスGHDのホームページにおける本
件公表(本件摘示事実の摘示)の記載が削除されることが予想されること
(p101)
などを考慮すると,名誉回復等の措置として原告甲の求める謝罪広告まで
を認めるのは相当でない。
よって,原告甲の名誉回復等の措置請求は理由がない。

オ 以上のとおり,原告甲の不法行為に基づく損害賠償請求(第1請求3

(3))は,100万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成2
3年8月10日から民法所定の年5分の割合による遅延損害金を求める限
度で理由があるから,これを認容し,その余は理由がないから棄却する。
また,原告甲の民法723条に基づく名誉回復等の措置請求(第1請求
3(4))は,理由がないから棄却する。

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いつも有難う御座います。

いつもJYJの為に献身されるスタッフの方々に感謝します。一連の記事3本、トラックバックさせて頂きました。韓国が酷いと思っていたら、日本はもっと酷いのかもと最近心配していました。一日の早く韓国でも日本でも地上波でJYJの活動を目にする事が出来ますように祈ります。

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《 Wake Me Tonight 》発売日まで
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